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スノードロップ

 作品以外の照明もなく静寂な館内に展示の相田みつを作品を見る。

 先に進んでいる二人の女性のうち中年女性が静かに声を出して読み上げている。会話はマナー上遠慮となるが、近寄ると高齢の女性と腕を組み横歩きして静かに声に出している。

 高齢女性は白い杖を脇に抱え耳で作品を鑑賞「雨の日には雨の中を…」「いい言葉だね…」と答えていた。目に頼らず耳だけで相田みつをを鑑賞している。珍しくはない光景と聞く。

 作品「願」を「願い一文字 がんです」と読み上げて出口へ向かって行った。「つまずいたっていいじゃないか にんげんだもの」足元気をつけてね。

 天地創造。色を持たない雪が色が欲しいと創造主に願い出た。春に咲く花々から貰いなさいと薦められ、花達に願うもうまく伝わらない。

 花弁が地面に垂れ下がったスノードロップ(和名ユキノハナ・まつゆきそう)。自分の白い色を使って下さいと花は雪から白い色を貰った。

 白く積もった雪は大地を白一色に包み込み、晴れた日には白銀に輝く。春が近づくと白い色の雪も溶けて消えてしまうが、次の冬に降り積もった時、雪はスノードロップを雪で囲って寒さから守りまた次の春を待つ。

 スノードロップの花言葉は「まさかの時の友」人生で逆境・苦境となった時にも、希望を与えてくれると友を忘れずに勇気を持つこと。

 スノードロップのお話は漫画「家裁の人」小学館(5)CASE3よりドイツのお話(原作:毛利甚八・画:魚戸おさむ~北海道出身)【田所】

 写真:map.yahoo.co.jp

 PS:東京国際フォーラムは修繕工事の為2024/1/28より閉館されています。