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いにしえの・・・

 最近の言葉の話。北海道では滅茶苦茶で度が過ぎて話にならない時に使う言葉が「わや」同義語のメッチャは元々は滅茶苦茶(当て字)だが、メッチャはとてもに使っている。ヤバイは矢場、つまり弓遊技場(淫売場)に集まる輩(やから)は危なっかしい場などの意味で使われていたが、今時若者はヤバイを凄い・最高などにも使う。

 元々の意味と異なっていたり間違っていても言葉は大半が使い出すとそれが常識として定着する。

 日本語は古来より漢語、外来語、大和言葉で成り立ち、資格更新テキストに美しい大和言葉をビジネス言葉として使いましょうと紹介されている。

 平安時代中期、菅原道真公が活躍していたころから盛んに使われていたひらがな文字~女手とも言う~の発明から、日本古来から使われていた言葉は女性の柔らかで美しい響きの話し方が大和言葉として広まり、菅原道真公に対峙する藤原時平公(古今和歌集/905)が大和うた~和歌(恋歌が多い)として広め人気を博していた。

 ひらがな文字や和歌の広まりにより、唐(中国)文化や漢字文化中心から抜け出し、紫式部『源氏物語』や清少納言の随筆『枕草子』などひらがな文学が結実となった。

 「叱る」は然るべき~大和言葉で「そうあるべき・ふさわしい」の意味もあり、そのようになって欲しい、ふさわしくなって欲しいと願うことから~然る~𠮟るとなり、感情的になって怒るとは異なり深い意味合いがある。新幹線の「ひかり」の後継車輛の名付けに「希望」(漢語)の案が出て、大和言葉に変えて「のぞみ」となったとのこと。

 恋歌が多い和歌(大和歌)の中でも、日本人が一番出会っている和歌に『為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり』(米沢藩主:上杉鷹山公:1751~1822)がある。

 大和言葉で満ちあふれている唱歌「♪兎追いし~」の『ふるさと』は東日本大震災の後にも愛唱され『荒城の月』や「♪春のうら~らの~」も好き。最近歌わず聞かなくなっている唱歌をお忘れなく。

 いにしえの大和言葉だけではなく、外国語や造語流行語も含めて上手に使い、素敵な言葉の力によっていっぱい心配りしましょうね。 【田所】

 

付け足し:死して雷となった菅原道真公の領地『桑原』(京都)に古来より落雷がなかったことから『くわばらくわばら』他説も有

 

蛇 足:お店などで領収書に「上様」はウエ様ではなく上得意様のことでジョウ様と呼ぶ 贔屓客の意味

 

画像提供:Yahoo