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北前船~おくりびと

 石巻市(宮城県)漫画館/800円や米沢藩主上杉鷹山公御廟(山形市)/350円などと共に、酒田市立資料館/100円の「北前船」見聞も旅の目的のひとつ。

 江戸~明治時代の日本経済を海運業で支えた拠点が山形県酒田市(人口は千歳市と同じ)瀬戸内海で使われた150トン積載可能な肥満型帆走和船の北前弁才船(千石船)は、蝦夷地~東北~大阪と船運で結び、酒田からは出羽の国の年貢米などを大阪へ1~2ヵ月で運び、津軽海峡を回って太平洋南下しての江戸コースも活躍した。

 北前航路では函館・松前とも歴史的に縁が深く、一回の航海で最大1万両(1億円)の儲けにもなり「北前稼ぎ」と呼ばれ繁盛に至っていた。

 北前船の上荷には古着、雑貨など、中荷には綿、たばこ、米や食品、底荷には酒、石材や屋根瓦など安定を保つ為に重たい物を積載。尾道の石が佐渡島で発見されたとのニュースを思い出し、地方の名石運びもこの役として使われたようだ。

 ちょっと寂しいような町中に「納棺師」をテーマにした映画『おくりびと/2008年』は酒田市が舞台であることをその時思い出し、酒田の資料館でロケ地マップを貰い映画冒頭~坂道に立地するNKエージェント(NKは納棺)や港座などを散策。映画は同年第32回日本アカデミー賞最多13部門優秀賞や海外映画祭でも受賞した名作。

 戻って同映画DVDで再鑑賞して見て来た場所を検証。人の生と死~その間にある愛のドラマ。常に「送る」側もいつかは「送られる」側に必ずなる。~人生山あり谷あり墓場までと感慨深い。精進!

 普通列車乗り継ぎ旅だが歩きは7日間120,607歩で一日平均17,230歩と、時にはカニ歩き姿で50年前の自分の姿に戻れたようで幸せ。【田所】

 写真:Yahoo/Wikipedia